用語集

ティアドロッププラケット

Teardrop(涙)形の開きを持つプラケット(衣服の着脱を容易にする開きのこと)のプルオーーバーシャツ。イタリアで生ままれたためか、リビエラシャツが代表的。

TVフォールド

ポケットチーフのたたみ方。水平型。

ティンカーティ

大剣、小剣共に折り返し部分を折り返さずに、美しい曲線を描くように仕上げること。カーブラインに遊び心があるが、その加工法は難易度が高く、ハンドメイドならではの高度な技術を要する。

ディンプル

ネクタイの結び目に作る“えくぼ”、“くぼみ”のこと。別にデントともいう。

デイグロウカラー

蛍光色のこと。1960年代末期に脚光を浴びたがすぐにすたれ、82年頃からロンドンで再び前衛デザイナーたちがコレクションに採用するようになった。

ティーシェイプドラペル

ジャケットの襟型で変わり襟の一種。T字型の襟で、下襟の角を削り取ったスタイル。

ディップ

インディゴブルーの染色において、液の中に浸けることをこう呼ぶ。インディゴ染めは、インディゴ染料を液に浸けただけでは青く染まらない。スカイイング(空中に引き上げ空気にさらして酸化させる作業)によって初めてインディゴブルーになる。時間や回数によって色の濃度に微妙な変化が得られる。

ディトーズ

同一の生地で作られているツーピースの総称。

ディナージャケット

主に英国で用いられる言葉。米国でいうタキシードに等しい。夜間、つまり午後5時ないし6時以降の準礼服。型はシングルブレスト、ダブルブレストがあり、いずれもノーベントが原則。襟型はピークドラペル、ないしショールカラー、まれにノッチドラペルも見られ、拝絹付きが特徴である。

ディナースーツ

タキシード型スーツの総称。上下共地で作られた晩餐服。黒及び濃紺が中心でまれにダークグレイのものもある。別名タキシードスーツ、ディナージャケットスーツ。

Tネック

ネックのTはタートルの頭文字。T型の襟のことではない。タートルネックの略称。米語。

デイパック

アメリカで「デイパック」と呼ばれるようになった、1日分の荷物が入るバッグのこと。現在は、日帰り旅行用の小型リュックサックをいう。

デイフォーマルウエア

昼間の礼装のこと。フロックコート、モーニングコート、ディレクターズスーツなどによる装い。対語はイブニングフォーマルウエア。

ディープバックポケット

1949年のラングラージーンズはこのポケットを採用。ヒップポケットの深さが、通常のポケットより深いのが特徴だ。ポケットに入れたものが落ちにくいという利便性がある。

ディープVネック

深いVネックのこと。

ディレクターズスーツ

昼間の準礼装。1900年代の初め頃、当時の英国国王エドワード7世が、ある接見にフロックコートの代わりに黒のラウンジジャケットを着用したのが、この礼服の始まりとされる。ストローラーは同義(同項参照)。

手かんぬき

使用頻度が高く消耗が激しい部分に施す、手縫い補強のこと。

デシ(DS)

皮革の面積を表す単位のことで、日本国内でのみ使われる。1デシ(DS)=10平方センチメートル。

デストロイドジーンズ

イギリスのデザイナー、キャサリン・ハムネットが発表。全体にスラッシュ(裂け目)を入れたジーンズなどが代表的。様々な加工法を駆使して、極限までボロボロに仕上げたジーンズのこと。文字通り、デストロイド(破壊された)された雰囲気が漂う。

デタッチャブルフード

フードの一種。ジッパーやボタンで取り外しのできるフード。

テックタイ

作り付けの結び目をもった幅広ネクタイ。20世紀初頭に流行った。この語はデューク オブ テック(テック公)の名にちなむ。

デッキジャケット

小型パイル襟とフライフロント(ジップフライ)を特徴とするヒップレングスジャケット。素材は濃紺メルトン。別名N-1ジャケット、ネイビージャケット。

デッドストック

中古衣料の中でも、在庫品として倉庫に眠っていたジーンズを指す。古着でありながら、未使用ならではのコンディションが魅力で、マニア垂涎のもの。

テニスカラー

レギュラーカラー(同項参照)を指すブルックス ブラザーズ社の専門用語。

テニスブレザー

テニスのギャラリー用の上着。型はシングルで白か青の無地。襟や前端やポケットにはパイピングが施されている。1920年代から30年代にかけて流行。

デニム

綾織りの厚地綿布のことで、タテ糸に太い色糸を、ヨコ糸に細めの白糸を用いる。名前の由来はフランスのニーム地方で作られたセルジュ・ド・ニームである。

テーパード

ジーンズにも見られるボトムスのシルエットのひとつ。トップからボトムにかけて、taper=円錐状に先細りになっている。

テリークロス

コットンパイルやタオル地を指す。表面がタオルのようになったコットン地の総称。吸湿性が高いため、ビーチウエアやバスローブに使われる。色無地が主だが、ストライプもあり、リゾート用ブレザーにも使われる。(テリークロスブレザーの項参照)

テリークロスブレザー

テリークロス(同項参照)を使った、リゾートブレザー(同項参照)の典型。シルエットは箱型のボクシータイプ。ポケットはパッチタイプ。ボタンは白蝶貝が一般的だが、錨や舵輪、魚などマリンモチーフのメタルボタンもある。

テールコート

燕尾服のこと。夜間正礼装。現在では公式の行事以外にはほとんど着用されないが、夜間の正宴、観劇、舞踏会などの第一礼装に変わりない。登場は1789年。当初はチェックインフロックコートと称された。テールコートという名称の一般化は、この上着が夜間の正礼装に昇格した1850年代になってからのこと。パーティなどの招待状にホワイトタイと服装指定のある場合は、テールコートの着用を意味している。

天狗

スラックス下前の前立の持ち出しのことで、天狗の鼻に似ていることからこの様に呼ばれている。形はスラックスによってさまざま。

天竺編み

平編み、表編み、メリヤス編みに同義。セーターの最も一般的な編み方。

天然藍

欧米などではインド藍、日本は四国吉野川流域などで栽培されているタデ藍を原料とする染料。

デンビー編み

隣同士の縦糸が絡んで結合することによって作られる編み地のこと。トリコット編みとも。

テーパードボトム

パンツのシルエットのひとつで、先細り型をいう。類語ペッグトップ(同項参照)、パッグレッグ。対語にフレアードボトム(同項参照)がある。

テーブルクロスチェック

白と赤などシンプルな配色の中格子柄。(ブロックチェックの項参照)

テールドボトム

曲線的な燕尾形の長い裾。標準的なシャツの裾で、シャツテールともいう。

ディッシュラグシャツ

皿洗い用の布のようなざっくりした木綿でできているシャツ。プルオーバーでポロシャツのイメージが残るスポーツシャツ。

デザートブーツ

オリジナルはポロ競技用に使われたチャッカブーツである。1899年に南アフリカで起こったボーア戦争、第一次大戦、第二次大戦で、この形の靴を英国陸軍が採用したと言われる。「デザートブーツ」という名称は、ネーサン・クラークが第二次大戦中、英国統治下にあったビルマのバザールで同型の靴に出会い、その後、クラークス社が商標登録したことに始まる。

デッキシューズ

直訳すると甲板靴のこと。本来甲板で履くために考案されたゴム底製の靴。布製かオイルレザー製で、底にノンスリップ加工を施したスポーツシューズ。

デービーアイビー

ダブルブレストアイビーモデルのこと。1950年代から60年代初頭にかけて流行った。当時は打ち合わせの深いダブルブレストの6ボタン3つ掛け。セミピークトないしフロアレベルドピーク=水平型の剣襟で、スクエアフラップポケット=角型フラップ、ストレートハンギング=ずん胴型のシルエット、前ダーツなしでサイドベンツやセンターベントなどがあり、ダブル型のアイビーブレザー=いわゆるアイビーブレザー(同項参照)の一種にあたる。原型は20世紀初頭、イギリスのレガッタブレザー(同項参照)である。