用語集

シアサッカー

表面にしぼ(縮れ)のある薄地の無地の綿織物だったが、19世紀後半にストライプ状にしぼを走らせた縞織り地が考案され、今日的なシアサッカーの原型となった。

シアサッカー

表面に波状の凹凸(シボ)がある木綿や合繊のシャツ地。白地に青など単色の縞柄掛けが特徴。アイロンがいらないため、夏用のシャツ素材として多く使われる。

シアサッカー

単にサッカー、またはしじら織りともいう。経糸を、ある間隔をあけて、たるませる部分と、張った部分を交互に配して織り上げると、経糸のたるんでいる部分は凸凹のしぼができる。このしぼのあるところと、しぼのないところが交互にストライプ状に現れた綿織物を指す。

シアサッカーストライプ

シアサッカー地に見られるしぼのあるストライプを指す。白地に青、紺、黒、ベージュ、ピンクなど単調な配色のものが中心だったが、パステル調やダークベース調、優しくソフトな色調など、バリエーションも見られる。

シアサッカーブレザー

シアサッカー地で作られた盛夏用のブレザー。シングル型でボタンは白蝶貝が代表的。

シアリングコート

羊の一枚革で作られた指先丈のアウターウエア。日本では「ランチコート」の通称で親しまれている。防寒着の一種でシープスキンコートともいう。

シェイプドコート

シェイプドは形を作るという意味でウエストを絞って体全体のラインに合わせたコート。

シェルパ

俗にいうボアのこと。コーリング&アイクマン社が開発したアクリル系パイル素材。

シェットランドツイード

スコットランドのシェットランド諸島に産する羊毛で織ったツイードのひとつ。柔らかくふっくらとした感触に特徴がある。

シェルボタン

貝で作られたボタンの総称。貝ボタン。

ジェイル

セーターの袖口と裾口のゴム編みのこと。リブ編みの俗称。

シェーカーステッチ

平畝編み。同じ畝編みでも天竺編みのような感じの平たいもの。シェーカーセーター(同項参照)に特有の編み方。チアリーダーセーターやレタードセーター(アワードレタードセーターの項参照)に多用される。

シェーカーセーター

ざっくりしたローゲージ(同項参照)の平畝編みセーターのこと。シェーカー教徒(18世紀後半に英国からアメリカ大陸へ渡った清教徒たち。清楚な生活用具は、実用性と機能性が追求され、一切の装飾性を排除した類稀な機能美を作り出した。家具などが有名)がみずから編んだセーターに由来するもの。

ジェッテッドポケット

タキシードに用いられるフラップなしの玉縁ポケット。類語ビザムポケット、パイプドポケット。

シェットランド

スコットランド北方、シェットランド諸島で産する羊毛、およびその織物、編み物の総称。柔軟で弾力性がある。本物は生産量が少なく、シェットランドに似せた仕上げをした上質ウールをこの名で呼ぶこともある。

シェービング

グラインダーに巻き付けたサンドペーパーにより、ジーンズの綾目の山部分をこすり、中古感覚を出す加工方法。股やヒップなど、はき込むことによりこすれる部分に一本一本、手作業で施す。ストーンウォッシュの前に開発された加工だが、現在でも股の付け根にヒゲ状に現れる中古感を出す技術として知られる。

地襟

テーラードカラーなどの裏襟のこと。襟の形を作る土台になるため、バイアス地に裁断され、芯を入れてくせを出して形作る。

シェルジャケット

夏用の晩餐服のこと。夜会服の一種。英国では陸軍将校の会食服、米国では熱帯地方用の略礼服を指し、色はいずれも白。シェルジャケットとは貝殻のように白い上着という意味。シルエットはメスジャケット(同項参照)に似ているが、襟はショールカラーではなくピークドラペル。モードとして一般に広まったのは30年代になってから。

シェルステッチ

アルパカステッチの一種。貝殻に似た扇型のレース風かぎ針編み。アルパカ(同項参照)製のゴルフセーターによく見られる。

シェルパ

俗にいう「ボア」のこと。ボア=アクリル系パイル織物の俗称。別称はイミテーションファー。シェルパはアメリカのコーリンズ&アイクマン社の商標名。

ジグザグ編み

変わり編みの一種。文字通り、ジグザグに編まれた模様編み。

下前立て

ジャケットやコートなどの前身の下側に当たる部分のことで、ボタンの付いている側を指す。対語は上前立て。

シックラバーソール

厚いゴム製の平たい靴底のこと。ハッシュパピーのクレープラバーソール靴が有名。40年代から50年代中頃に流行。(ブローセルクリーパーズの項参照)

シックンシンポケット

シックアンドシンポケットのこと。シックは厚い、シンは薄いの意味で、片方の玉縁が幅広でもう片方の玉縁が狭いポケットのこと。

ジップフライ

ジッパーフライともいう。ジーンズの前開部がジッパーによるもの。簡便さからこの方式がとられた。1891年にシカゴのウィットコム・ジャドソンの手によって発明された。

ジーパン

かつて日本ではジーンズをこう呼んだ時代があった。ジーンズパンツだからGパンと思われがちだが、事実はさにあらず。実はGI(ジーアイ Government Issue 官給品の意。アメリカ兵の俗称)パンツを略してGパンと呼んでいたという説も。第二次世界大戦後に、ジーンズが日本に話題になったことがうかがわれるエピソードである。

C.P.O.シャツ

C.P.O.とはチーフペティオフィサーの頭文字で、下士官のこと。第二次大戦中に米軍士官が着用したシャツ型の制服。またはそれにヒントを得た上着式のスポーツシャツをこう呼ぶ。

シャツジャック

シャツジャケットともいう。C.P.O.シャツ(同項参照)などの上着風や、ジャンパー型のアウターシャツを指す。

シャーベット

柔らかで光沢のある杉綾織りの絹布を指す。

シャーベットタイ

パリのブランド、シャルベ(英語読みするとシャーベット)社製のネクタイのこと。またはシャーベット(同項参照)地で作られた無地ないし派手なプリント柄の高級ネクタイをこう呼ぶ。1920年代のアメリカでは、「シャーベットタイ」といえば、超高級品というイメージにつながった。

シャーリー

ネクタイ地。薄手平織りウール素材で、多くはプリント柄(特にペイズリーは有名)であり、無地は極めて少ない

シャンク

靴の土踏まずの部分。またこの部分に挿入する鉄片などのパーツも、このように呼ぶ。

シャンブレー

経に色糸、緯に白糸を用いて平織りにした綿織物。つやのあるパステルカラーが特徴。特にブルーと白が一般的で、独特のパステル色をシャンブレーブルーと呼ぶ。ブレザー用には、やや地厚のタイプを用いる場合が多い。本来はシャツ地に使われる。

シャンブレー

たて糸に色系、よこ糸に白糸を使った平織りの木綿生地。つやのある淡い玉虫調のパステルカラーが特徴。白と青が一般的で、こうした青色をシャンブレーブルーという。

シャーティングストライプ

シャツ地専用の縞柄の総称。

ジャイビーアイビー

俗称、いかれアイビー。茶化しアイビーと訳されるエクストリームアイビー(同項参照)の一種。

ジャカード

フランス人、ジョセフ・M・ジャカールの発明した特殊紋織機、その織機で編まれたニットのこと。

ジャージー

メリヤス編みの伸縮性のあるニット生地、製品の総称。ガンジー島と同じ、イギリス海峡、チャネル諸島ジャージー島が名の由来。最初は同島の漁師や船乗りたちの手で編まれていた。19世紀頃になると産業革命によって次々に新しい編み機が考案され、1860年代に最初の機械編みジャージーが完成し、フットボール用のウエアに採用され、以降スポーツ衣料に相次いで採用されて1890年代には一般化した。アメリカではこれをセーター(同項参照)と呼び、ニットウエアの代名詞となった。(ガンジーの項参照)

ジャズスーツ

スーツの流行型。ジャズエイジ(1919~20年代)のファッション。丈が長くウエストの絞りが強いジャケットに、細身のパンツが特徴。

ジャッカ

イタリア語でジャケットのこと。

ジャッカサルトリアーレ

毛芯仕立てのジャケット。本バス芯地の中でも、イタリアのベルテロ社製は、高い評価を得ている。

ジャッカスポルティーバ

ソフトコンストラクションのジャケットのこと。イタリア風カジュアルジャケットを指す。

シャトル織機

27インチ前後の狭幅をもつ旧式の織機。生産性に限りがあるが、織布する速度が遅いことで生地に味のある表情が作られる。ヴィンテージジーンズの見直しとともに脚光を浴びる。

ジャンパー

jumper=運動や作業用のゆったりした長袖の上着。現在のジャンパーのモデルは1930年代の英陸軍のユニフォームからきたものといわれ、今では実用性の高いシンプルなショートジャケットを指すようになっている。ちなみに英国における「jumper」は、日本でいう「セーター」に相当し、日本でいう「ジャンパー」は英国では「ジャケット」にあたる。

ジャンプスーツ

体にフィットした上下つなぎ服。1960年代末、フランスのスキーチームがこれをユニフォームに採用。これがきっかけになって注目された。

朱子織り

織物の3つの基本的な組織のひとつ。綾織りのように、組織点が連続することなく、経糸と緯糸の交差を少なくし、分散させて、布面に経糸あるいは緯糸を長く浮かせる織り方。サテン織りともいう。平織りまたは綾織りに比べると、織物の表面が著しくなめらかで光沢があるが、摩擦に弱いのが難点。代表布にベネシアン(同項参照)がある。

シュリンクレザー

シューティングコート

狩猟や射撃の時に着用するショートコートの一種。防寒仕立てで、ハンティングジャケットと同じ。

獣毛繊維

羊毛以外の動物繊維の総称。モヘア、アルパカ、ラマ、キャメル、カシミア、アンゴラ、ビキューナ(各項参照)などがその代表。

ジュエリー

宝飾品。カフリンクス、スタッズ(各項参照)、ピン(スティックピンの項参照)、指輪、時計等礼装用の装身具、及びそれに用いられる宝石、貴金属類があたる。

縮絨

シュリンクとは英語で地づめのこと。縮革とも呼ばれる。銀面が収縮するためにシボ(表皮のシワ)が強調され、革らしい風合いをもたらす。バッグの素材としてポピュラーな皮革。

シュリンク革

シュリンクとは英語で地づめのこと。縮革とも呼ばれる。銀面が収縮するためにシボ(表皮のシワ)が強調され、革らしい風合いをもたらす。バッグの素材としてポピュラーな皮革。

シュリンクトゥフィット

洗うことによって縮む綿の特性を利用して、体に合わせて収縮後に着用すること。サンフォライズド(同項参照)以前のジーンズは、新品をそのままはくものではなかった。今のものより硬く仕上げられていたからである。洗濯して水に通すことによってデニムを縮ませ、密度を高くすると同時に、柔らかくして身につけたのである。そうすることで、ジーンズは着用者の身体の形に合わせてし、よりフィット感が高まったわけである。この特性が知られるにつれて、カウボーイは新品のジーンズをはいたまま浴槽に入る、などといった逸話が生まれた。

ジョドパーズ

乗馬用長ズボンのこと。腰回りをゆったりさせ、脚部をフィットさせたシルエット。裾は折り返し付きとそうでないものの2通りある。語源はインドの地名ジョドプール。

ショートポイント

襟先が短い襟型の総称。対語はロングポイント。(同項参照)

ふたなどを留める金具のこと。

ジョニーカラー

小型ショール襟ないしは三日月型のニット襟のこと。スタジアムジャケット(同項参照)の襟に用いられる。

ショールカラー

へちま襟、タキシードカラーのこと。カーディガンに用いられる。

ショールカラー

へちま襟、一枚襟(カラーとラペルが分かれていない襟)。曲線的な形をした細長い一枚襟。類語ショールラペル、ショールロール、ロールカラー、タキシードカラー。

ショルダーバッグ

肩から掛けるバッグの総称。

シルクソックス

絹製のソックス。ガーターレングス(ふくらはぎ丈)が中心。礼装用ソックスの代表。最近では上質ナイロンのハーフホーズ(膝下まで)も利用されている。

シルクツイード

絹の交織による平織ツイード。用途はジャケットやカントリータイプのスーツなど。

シルクハット

光沢のある絹でできた円筒型の帽子の総称。この帽子の考案者は、ロンドンの小間物商ジョン・ヘザーリントンとされており、1797年1月15日、自ら作ったそのオリジナル帽子をかぶり、市内の目抜き通りを歩き回ったという話が残されている(トップハットの項参照)。

シルクブロケード

紋織りシルク、錦織り絹布。複雑な紋様柄を織り出したシルク地の総称。用途はファンシータキシード(同項参照)、およびファンシーヴェスト。

シールズ

印形、印章(一種の家紋)を刻み込んだ、時計鎖(フォブチェーン)用の飾り物。

ジンクメッキ

銀色のボタンに施された亜鉛メッキのこと。仕上がった直後は銀色に輝いているが、空気に触れたり、削られたりしてくすみやキズが付き、味が出てくる。

シングルブレステッド

ジャケットの前合わせの形式名。1列ボタンの前合わせで、俗にいう片前。対語はダブルブレステッド。

シングルカフス

折り返しのない一重の袖口。

シングルカラー

硬襟、立ち襟、スタンドカラーのこと。種類はウイングカラー、ドッグカラー、ポークカラー(各項参照)などがある。

シングルブレストブレザー

1列のボタンで留めるブレザーの総称。ダブルブレストブレザー(同項参照)に対する語。

芯据え

服作りの中でも最も重要な作業。前身頃の表地を芯地に馴染ませるため、しつけ糸で留めていくこと。この芯据えが服の良し悪しを決める縫製時の命ともいわれる。最近の既製スーツの中には、芯据えをしないで、接着芯を貼り付けたものも出まわっている。見た目にも薄っぺらで、品格に欠けるのは否めない。

シンチバックベルト

ウエスト調整のためにジーンズ後背部につけられたベルトのこと。2本針によりベルトを打ち抜いて留める方式だが、現在作られる復刻タイプの中にはPL法の実施により、購買者のトラブルを避けるために針を使わないものも見られる。

シンチベルト

シンチとは馬の腹帯のことで、そのように厚い革ベルトを指す。このベルトには通常、シンチバックルと呼ぶ金具が付くことが多い。

C.P.O.シャツ

「C.P.O.」とはChief Petty officerの略語で、アメリカ海軍下士官の意味で、第二次世界大戦時の海軍下士官のシャツをヒントにした、アウターシャツ。大型の胸ポケット付き、オリジナルは紺の無地だが、ファッションとしてのバリエーションでは赤や黒など派手な色彩の格子柄のウールが一般的。

ジョッキーブーツ

騎手が履く乗馬靴(ライディングブーツの項参照)。

ジョッパーブーツ

ジョッパーズという乗馬ズボンに合わせ、デザインされたブーツ。革紐を巻くようにして尾錠留めにしたスタイルが特徴。