用語集

海島綿

アメリカ東南部の海岸地方および近海諸島に産出する綿。繊維が非常に細く、毛筋が長く、絹状の光沢があるのが特徴。細い糸が紡績できる綿の最高級品と知られ、シャツ地としても使われる。

カウズ

タキシードの別称。主に英国で用いられた語。ホワイトタキシードのルーツという説もある。

カウチンセーター

防寒用アウターセーターの一種。カナダのバンクーバー島にあるカウチン湖周辺に住みついたサリッシュインディアンの考案。未脱脂の原毛を使用した防水性と独自の編み込みが特徴。

カウハイド

生後2年くらいの牝(めす)の成牛の皮のこと。

カウボーイブーツ

装飾を施したハイヒールが特徴の牛や羊の革で作られた半長靴(ウエスタンブーツの項参照)。

抱えカバン

ハンドル、ショルダーストラップ、背負いベルトがなく、本体を抱えるように持つバッグのこと。「ハンディケース」、「スピードケース」とも呼ばれる。サイズや、素材も多種多様。

隠しリベット

バックポケットを補強したリベットは強度の点では最適なディテールだが、車や馬の鞍などを傷つけるデメリットもあった。そこで各社が、その問題を解消するための開発をしていくことになる。以後、生地表面にリベットが出ないように打ち込むという方法が開発され、生地の表には見えず、生地の裏側を見るとリベットがあることから、この名が付いた。コンシールドリベットともいい、リーバイスでは1960年後半まで採用され、以降は復刻版として採用される以外、激減した。

革新織機

別名、シャトルレス織機。ジーンズの需要拡大と共にシャトルを排した量産型織機が開発され、こう呼ばれるようになった。シャトルの代わりに小型の金属製グリッパーフロジェクタイルを使用するグリッパー式や、空気や水の噴射力を利用したジェット式などがある。織れる生地幅も27インチ(1インチは約2.5cm)から44インチ、48インチと広くなり、現在は60インチ前後の広幅の生地が織布される。

カーケース

スーツケースの一種。内側にハンガーを装着して、スーツなどの衣服を2つ折りにして持ち運ぶためのもの。別名「ガーメントケース」ともいう。

カゴール

アノラック(同項参照)またはヤッケ(同項参照)の一種。膝丈と前後の丈が長い、フード付き防寒着のこと。素材はウレタン防水を施したナイロン地が多い。

ガシットバック

狩猟用や射撃用など本格的なスポーツジャケットの背部両脇に施された深いプリーツ。動きやすさを求めた、機能的、実用的なディテールのひとつ。アクションプリーツとも呼ぶ。

カシミア

獣毛素材の一種。インドのカシミール地方に産する山羊の毛のこと。光沢としなやかな感触があり、ビキューナ、アルパカと並び称される高級服地。ブレザーに用いられることもある。

カシミア

カシミア山羊の毛をいう。毛質は細く、柔軟で独特のぬめりがあり、保湿性に富む。主産地は中国、中央アジア、中近東など。織物、ニットウエア共に最高級品として扱われている。

かしめ

リベット留めでは気密が保たれないときに、接合板の縁を押し潰して隙間をなくすことをいうが、隙間を充填する充填材、コーティング材のこともいう。また、リベットやハトメ金など先端を押し潰して留めることも「かしめ」という。

カジュアルコート

フォーマルコート、ビジネスコートなどのドレスアップ目的以外で気軽に着られるコートの総称。その種類は多種多様。

肩当て

本来は、服の肩のところに付ける布のことをいうが、バッグのショルダーベルトの肩に当たるところに、クッションや滑り止めのためとして付けるものも「肩当て」という。

ガーター編み

表目と裏目が1段おきになっている編み方。両頭編みともいう。

肩入れ

後ろ身頃と前身頃の肩の部分を縫い合わせるときに、くせとりやいせ込んで体型に合わせることをいう。

型押し革

革の表面を機械で加圧して、模様を付けた革の総称。

肩掛け

肩掛けカバンの略。肩に掛かる所は、「肩掛け紐」「肩紐」「ショルダー」などと呼ぶ。

ガッシング

ガス焼き。織り上げた生地の表面をガスの炎で焼いて、小さなケバ(生地表面の繊維のケバだち)を消すこと。

カッタウェイフロック

モーニングコートの別称。米国で使われた言葉。昼間の正礼服であったフロックコートの前裾を斜めに裁ち落としたところからこの名が付けられた。

カットアンドソー

ニット生地を裁断し、縫製した製品の総称。

カットイン

上着の前裾を水平ないし曲線的に切り取る裁ち方。1789年に初めて登場した。当時流行のスカーテッドコート(同項参照)にこの裁ち方が採用され、テールコートが生まれた。

かつらぎ

カラージーンズに多用される。厚地綾織り綿布の一種で、急傾斜の畝が表面に現れる。

カーディガン

正式にはカーディガンセーター。セーターのプルオーバー(かぶり式)に対し、前開き式となったものの総称。多くは襟なしでボタン留めとなっている。名の由来はクリミア戦争(1853~1856)で活躍した英国の貴族、カーディガン伯爵がケガをしたときに考案した上着にならって、この名が付けられたといわれている。

カーディガンステッチ

畝編みの目の上に作られる、ループ状のステッチのこと。

カーディガンボディース

袖なしカーディガン、カーディガンヴェストのこと。

角金具

バッグやトランクの角に補強や装飾のために取り付ける金具。

カードケース

様々なカードを収納するケースのこと。名刺入れもカードケースの一種。

金具(かなぐ)

金属製の付属品。しかし、材質は金属だけでなく、プラスチック製も「金具」と呼ぶ。バッグ用金具には、以下の種類がある。〔1〕 固定金具:鋲、ハトメ、リベット、座金、ハンドルなど 〔2〕 ナス環、留め具など 〔3〕 ハンドル、ツマミ 〔4〕 錠:尾錠、ヒネリ 〔5〕 補強金具:帯鉄、角金具、芯板など 〔6〕 調整金具:バックル 〔7〕 移動金具:車輪、キャスター 〔8〕 開閉金具:口金、蝶番 〔9〕 足金具:底鋲

カナディエンヌコート

カナディエンヌとはフランス語でカナダ人のこと。カナダのきこりが作業用に着用するコート。それに似せたコートの総称。襟や袖口に毛皮などを付けた大きめのパッチポケットとウエストベルトが特徴の七分丈のコート。

鹿の子編み

平編みの変化組織による編み地のこと。表編みと重ね編みを組み合わせて、表面に隆起や透かし目を作り、編み目柄を表したもの。

カバードボタン

表面が平らで、全体がフラットな感じのボタン。社名、ロゴなどをレリーフとして入れる。現在のジーンズの主流。ドーナッツボタン(同項参照)。

カバンコート

元々は上下つなぎの作業服。上部は袖付きが原則。素材はデニムやキャンバスが中心。現在はシャツカラーないしオープンシャツカラーのシングルブレスト、パッチポケット付きのカジュアルなジャケットも含む。

カバートコート

トップコートの一種でカバート地(たて糸に霜降り糸、よこ糸に濃色系糸を使った綾織物)で仕立てた丈の短いコート。丈はフィンガーチップレングスで、シルエットはフレアード。裾まわりにミシンステッチがかけられる。

カフス

シャツの袖口の総称。(アジャスタブルカフス、コンバーチブルカフス、バレルカフス、フレンチカフスの各項参照)

カーフスキン

生後6カ月頃までの仔牛の皮のことをいう。

カフドスリーブ

カフ付きの袖。袖先に折り返しをつけた袖の総称。テールコートやモーニングコートに多用されている。

かぶら

パンツの裾の折り返し。英語のターンナップカフに当たる。テーラーの専門用語。

カフリンクス

カフスボタンのこと。フレンチカフスの袖に欠かせないアクセサリー。広義では「袖口ボタン」を総称し、カフスに作り付けになっているものも含む。

カフリンクス

ドレスシャツの袖口を留めるアクセサリーで、各種貴金属、宝石類で作られる。フレンチカフスと呼ばれる折り返し袖には不可欠のアクセサリー。登場は17世紀末だが、一般的に普及したのは1840年になってから。それまではカフボタン、スリーブボタンが用いられていた。

カーペンターズジーンズ

工具入れのポケットや、大きなバックポケットが特徴。ワークウエアの一種で、オーバーオールを原型にデザインされている。

カポスパッラ

イタリア語でテーラードジャケットのこと。

カマーヴェスト

カマーバンド(同項参照)の一種。タキシード専用の、ヴェストのようにカットされた前ボタン留めのカマーバンド。

がま口

主にレディスバッグに使用されることが多く、開閉部に口金の付いている小銭を入れる袋のこと。開けた口ががま蛙の口に似ていることからの名称。

カマーバンド

タキシード専用のサッシュ(飾り帯)のこと。通常ボウタイの素材や色に合わせて作られる。起源はインド人の着用するサッシュで、ヒンズー語のカマーバンドからきた。礼装用として登場したのは1893年。

カムデンメリノ

1797年、スペインを出港しオーストラリアに初めて上陸したスペイン王室門外不出のスペインメリノ種の羊に由来し、そのうち8頭を買い取ったJ・マッカーサーがカムデン牧場で、同種の羊の飼育に成功、一躍豪州を羊毛の国にした。以来、この牧場で産する羊毛は、憧れのウールとして最上級の名が与えられた。スペイン王室の秘法を今に伝える純血種のスペインメリノによる羊毛をカムデンメリノと呼ぶ。

カメラマンコート

カメラマンが屋外で着用する、防寒、防水、防汚を兼ねた機能性コート。しっかりした綿ギャバジンなどの素材を使い、カメラなどの重装備の備品を収納できるよう、複数のフラップポケットが付いている。

カメラマンバッグ

カメラマンが使用するバッグ。カメラをショックや傷から守るため、内側にクッション素材を組み込んであり、レンズやフィルム、部品を入れるための多機能ポケットを装備している。

ガーメントケース

衣装袋の意「カーケース」「ハンガーケース」に同意。同項参照。

ガーメントダイ

ジーンズ用に糸を染めてから製品化するのではなく、製品化後に染色する手法。製品染めともいう。カラージーンズでは、生成の色で製品化してから、それぞれの色に染色する場合が多い。生成だけでなく、藍色に染める場合もある。

カラークリップ

カラーピンの一種。差し込み式の襟留め。

ガラス張り革

クロムなめしをした革を、ガラス板やホーロー鉄板に張り付けて乾燥、表面を塗装仕上げしたもの。堅牢で、手入れが簡単という特性を持つ。

カラーバー

カラーピンの一種。文字通り、棒状の襟留めで、片端をネジで留める仕組みになっている。襟に小穴(鳩目=アイレット)が開いているシャツに用いられる。

カラーピン

広義にはドレスシャツの襟留めの総称。狭義には同じ襟留めでも特に安全ピンのタイプを指す。

カラーフェーシング

拝絹襟のこと。フェーシングカラーとも。テールコートやタキシードに見られる絹地を張った襟のこと。類語フェースドラペル、シルクフェースドカラー、シルクフェーシング。ちなみに襟に絹のテープや飾り紐で縁取りを施したものはバインディングカラーないしパイプドラペルと呼ばれている。

カラーレット

モーニングコート用のヴェストのVゾーンに取り付けられる飾り襟のこと。カラースリップともいい、通常取り外しができるようになっている。

カラーセパレーテッドシャツ

襟が取り外せるドレスシャツ。クレリックシャツ(同項参照)を指す場合もある。

カラードシャツ

カラーシャツのこと。白以外の色無地ドレスシャツの総称。(ソリッドシャツの項参照)

カラーレスジャケット

襟なしジャケットの総称。カーディガンジャケットともいう。Vネックが中心だが、丸首のタイプもある。

カラーレスブレザー

襟なしのブレザーのこと。1942年頃アメリカ西海岸で誕生。素材はフラノをはじめ、ギャバジンやシェットランド、サージなどがある。なかでも、西海岸の有名なヨットハーバーの名にちなんだ「バルボアブルー」という、深い青色のフラノが好まれた。

カリフォルニアウエストバンド

パンツの腰部の形式のひとつで、腰帯(こしおび)が一枚仕立てになっている。1930年代から40年代にかけて、米国西海岸で流行した。ベルトループも極端に低い位置に付けられている。ワンピースウエストバンド、ハリウッドウエストバンドともいう。

カルダンブレザー

フランスのデザイナー、ピエール・カルダンが1963年に発表したブレザーで、リージェンシーブレザー(同項参照)が正式の呼び名。

カルツェ

イタリア語で靴下(複数扱い)のこと。

カレッジセーター

スクールカラーまたはクラブカラーを基調にした各種セーターの総称。チアリーダーや通学用のスクールカラーカーディガン、スポーツ選手のエリートによって着られたアワードレタードセーターなどが含まれる。

革ジャン

皮革製ジャンパーの和製俗語。革で作られたジャンパー(同項参照)の総称。

皮と革

動物の表面を覆っている皮(かわ)の状態を原皮(げんぴ)と呼び、なめしたものを革(かく)と分けて使う。なめす以前の皮または生皮(なまかわ)からなめした革までを総称して「皮革」という。

カンガルーポケット

アノラック(同項参照)やパーカ(同項参照)類の腹部中央に付けられた大型ポケットのこと。特に上部から物を入れるタイプのものを指す。雌のカンガルーの下腹部にある育児嚢(のう)の形からイメージされ考案された。

カンガルーレザー

オーストラリア産のカンガルーの皮をクロムなめししたもの。特徴としては、薄手で柔らかい。また、軽く、非常に摩擦に強い。

ガンジー

ジャージー(同項参照)にほぼ同義。メリヤス編み機製(メリヤス編みの項参照)のプルオーバーのシャツ、セーターのこと。元々はガンジー島(イギリス海峡に浮かぶチャネル諸島の中心。英国領)の船乗り用のニットウエア、丈夫なハイネックプルオーバーを指す。

顔料仕上げ革

顔料を使用して仕上げられた革。銀面の傷などを隠す効果がある。「塗装仕上げ」ともいう。

カーコート

オートオーバーコート同義。ゴーグルやガーントレット(長手袋)とともに着用された。50年代の流行語。

カーフ

生後6カ月以内の仔牛の皮。カーフスキンともいう。これをなめしたものがカーフレザーで、つやけし、スエード(同項参照)仕上げなどの種類があり、靴に用いる牛革の中では最も高級とされている。

ガムブーツ

ゴム製の深靴、長靴。いわゆるゴム長靴のこと。

ガリバルディシャツ

ガーズコート

別名ガーズマンコート。英国の衛兵(ガーズマン)が着用していた。それにヒントを得て作られたのがこのコート。背中に深い内ひだと共地の背バンドを付けた、裾周りの広い、膝下丈のダブルブレステッド。素材にはダークブルーのメルトンやアイリッシュフリーズなど厚手のウール地が使用される。大型の襟をもち、あくまでも軍服的な機能性が特徴となっている。