用語集

イタリアンカット

60年代に流行したイタリアンコンチネンタルスーツに合わせるためにデザインされた、つま先の名称。先細りで左右が不均等。トウは平らな形をしている。

いせ込み

平面の布を立体的に形作るための技法で、袖山などに施す。いせる(縮縫)部分を細かく、ぐし縫い(同項参照)をして糸を軽く引き締め、アイロンで立体的に形作る。

イタリアンカラー

ダイヤ形の一枚襟。30年代イタリアのカプリ島で流行した。

イタリアンスタイル

本開きやお台場などの手の込んだ仕立ては周知の通り。イタリアはテーラーの時代が長かったため、基本スタイルは英国調。これをもとにウエストを軽く絞り込み、裾が腰にフィットする。肩幅は強調し、ややいかり肩のラインを持つ。一方ではフランスの既製服作りの下請けをしていたことから、レディースの服作りの発想も盛り込まれ、華やかで優雅さが漂う。手仕事の神髄を盛り込んだ服作りに注目が集まり、日米共に高い支持を得ている。

イブニングコート

テールコートのこと。イブニングドレス、燕尾服、ナイトフルドレス、スワローテールコート、ドレスコート、スパイクテール、などとも。フランスではアビ、ドイツではフラックと呼ばれる(テールコートの項参照)。

イブニングタイ

テールコート用の白のボウタイのこと。俗にいうホワイトタイ。

イブニングフォーマルウエア

日没後の礼装、夜間礼装のこと。テールコート、タキシードなどを指す。対語デイフォーマルウエア(同項参照)

イブニングボタンドブーツ

エドワード7世時代(19世紀末から20世紀初頭)に流行したエナメル革とボックスクロスを組み合わせたボタン留めのブーツ。

イブニングコート

男性の夜の第一礼服とされるスワローテールコート(燕尾服)のこと。正確にはイブニングドレスコート、フォーマルイブニングコートとよばれる。最も格式の高い礼服。現在では、特別の場合を除いては着用の機会は少ない。

インオアアウトシャツ

裾をパンツの中に入れても、外に出しても着られるようにデザインされたシャツのこと。

イングリッシュドレープモデル

1930年代~50年代前半まで、アイビーモデルが登場するまでのスーツの主流を占めていたスタイル。ちなみにドレープとはフランス語の羅紗を意味するdrap(ドラ)から派生した言葉。

イングリッシュプラケット

ポロシャツのプラケット(前立て)の一種。身頃とつながった一枚仕立てのシンプルな前立て。スリットだけの場合もよく見られる。

インシグニア

職業や階級、身分などを表すために衣服に付ける紋章、記章のこと。軍隊の隊章や学校の校章のことも指す。

インターシャパターン

象眼模様のこと。インターシャ機と呼ばれる編み機で織られた変わり編みをいう。地編みの中に別の色糸による柄編みがモザイク式にはめ込まれたもの。

インターロック

両耳付きの割縫い(2枚の布を中表に合わせて縫い、縫い目にプレスをかけ、縫い代を割り開き始末する)、片耳付きの割縫い、そして耳なしの割縫いの次に生まれた縫製仕様。生地を合わせ縫いし、生地の端を割らずかがり縫いする方法で大量生産を可能にした縫製方法である。