用語集

ビキューナ

南米高地に生息するラマの一種。毛質が極めて柔らかく、獣毛素材中で最も高価で貴重とされている。

ピークドラペル

ジャケットの襟型。剣襟のこと。下襟の先端が上に向いているもの。ダブルブレステッドのものに多用。

ピケフロント

ドレスシャツのブザム(胸部)を切り替えたデザインのこと。糊づけされたコットンピケが使われることから、こう呼ばれる。

ビスポーク

英語のbespoke(bespeakの過去形)に由来し、誂(あつら)えの、注文という意味。作り手と着る側が話し合って作られる。これらの作り手のことをビスポークテーラーと呼ぶ。レディメイドに対して使われ、注文服または注文服店のこと。カスタムテーラー(テーラリング)と同義。ただ、近年、ファッションのクラシック傾向やエレガンス傾向が強まり、ロンドンのサヴィルロウのテーラーから新時代のデザイナーとしてニュービスポークが目され始めている。

ヒップブーツ

フィッシングヒップブーツなどという、魚釣り用の大長靴。文字通りお尻を覆うほどの長さのゴム製の長いブーツ。別名ウエーダーズ。

ビッグE

リーバイスのジーンズの右後ろポケット脇に見られるレッドタブの文字が、大文字のEで記されていることを指してこう呼ぶ。レッドタブは1936年から採用され、赤地に白色で「LEVI'S」と表記されたが、1966年にロゴの変更があり、1971年にはタブも「Levi's」に統一された。この結果、ビッグEは1971年以前のリーバイスであることを表し、ヴィンテージジーンズを求める場合の目安となる。ちなみに現行のタブのeは文字通り小文字のため、スモールeと呼ぶこともある。

ヒップハンガー

股上の浅いパンツ(ローライズ)を腰骨にひっかけるようにはくことからこの呼び名がついた。

ヒップポケット

ヒップポケットは様々な役割があり、これの大小、取り付けの位置の高低はデザインの重要な要素である。さらにステッチ、ネームタグなど、そのブランドの顔ともいえる意匠が、ヒップポケットに隠されている。

ヒドゥンポケット

「hidden」とは英語で隠された、隠れたの意味で、隠しポケットを指す。コンシールドポケットとも呼ばれ、ポケットがあるかどうかわからないように付けられている。

ヒドゥンリベット

隠しリベットのこと。ポケットの端を補強するために使われる。鞍や、車の使徒をに傷を付けるのを防ぐための工夫。「コンシールドリベット」の項参照。

一目ゴム編み

表目に1列、裏目に1列の繰り返しによるゴム編み。

比翼仕立て

パンツなどの前開きに多く用いられる。ボタンなどを留めても表から完全に見えないよう二重に仕立てた本比翼仕立てと、上前側の端を折り返し、裏側にボタン穴を作る略比翼仕立てとがある。英語でフライフロント。

平織り

織物の3つの基本的な組織のひとつ。最も単純な基本的な織り方。経と緯の糸が1本ずつ交互にがっちりと組み合わされた構造なので耐久性に富む。一般的に、硬く平滑なものが多い。ブレザー用の代表的な素材としては、フランネル(同項参照)やホップサック(同項参照)、ツイードなどがあげられる。

ピンドット

水玉模様。小水玉。ネクタイなどに用いられる。ちなみにポルカドット(同項参照)は中くらいの水玉を、またコインドットは大きな水玉を指す。

ビントヤッケ

独語で訳語は防寒着。「ビント」は風でヤッケはジャケットの意。パーカ、アノラックに同義。日本では略してヤッケ(同項参照)。

ビエラ

本来はウイリアム・ホーリンズ社が開発した、ウールと綿を混紡し、フランネル加工した素材を指す。現在では綿や毛織物の薄手フランネルもビエラと呼んでいる。

ピッグスキン

豚革。毛穴が大きな特徴。

ピンオアノットカラー

レギュラーカラー(同項参照)を指すアメリカ英語。カラーピンをしてもしなくてもよい襟、という意味。

ピンキング

ギザ抜き飾りのことをいう。ブローグズ(同項参照)のアッパーの各部周辺に施されているV字形の刻み目のこと。ウイングチップがその典型。

ピンホールカラー

アイレットカラー(同項参照)に同じ。比較的幅の狭いカラーの左右を、ネクタイの下でピンで留め合わせたもので、襟先にはピンを通す穴が開けられている。

ピーコート

ショートコートの一種。紺や黒の厚手のウールで作られた、ダブルブレステッド6ボタンか8ボタンのコート。

ピージャケット

ピージャケットとは、オランダ語の「ピーエッケル」を英語化したもので、ピーは粗ラシャ、エッケルはジャケットの意。両前6ボタンないし8ボタン、幅広の襟、手を温めるハンドウォーマーポケットなどを特徴とする。1830年代から1850年代にかけて英国で服飾用語になり、当時はパイロットコートとも呼ばれた。本来は水夫や漁師の防寒用上着だった。1830年代は上襟にビロードをかぶせ、ラペルは幅広で、打ち合わせがゆったりした、丈の短い外套のようなものだった。素材は、モヘアかパイロットクロスと呼ばれる厚手のウール地で、防寒と防水の機能があったとされる。